今年のお気に入り(6)「岡崎律子」

Love & Life ~private works 1999-2001~
(40代には見えないなあ。美人。)

  • はじめに

音楽を評論するというのは、意味の無いことの様にも思える。
なぜなら、音楽の良し悪しっていうのは、個人の感性によってまちまちだからだ。
だから、ここで私が岡崎律子を評論するということは、
結局「私という人間を理解してほしい」というだけのことなのかもしれない。

  • 岡崎音楽との出会い

以前の日記にも書いたが、アニメ「ラブひな」がそうだ。
OP「サクラサク」もED「君さえいれば」も、すばらしい曲だと思った。
それでアルバムを借りちゃった、というのが出会い。

  • 「繊細」かつ「凛とした」歌声

岡崎律子について語るとき、やはりその声質から話を始めたくなる。
赤松健も「繊細でネガティブでたまらない」と表現していたが、
この評価は全く私のものと同じだ。


しかし、私はもう一つの要素を加えたい。
それは「凛としている」ということ。
触れれば壊れそうなのに、それでも厳しく屹立しているイメージ。

  • 「ポップ」かつ「マニアック」な曲

岡崎律子の書く曲は一見(一聴?)すごくポップだ。
しかし、実は右チャンネルの奥の方で延々フルアコギターのアドリブが鳴っていたりと、
(しかもアウトした気持ち悪いフレーズを弾いたりする)
隠れてマニアックなことをいろいろやっている。
聴いていて飽きない。

  • 歌詞について

これは「for RITZ」に顕著なのだが、
岡崎律子の書く歌詞からは、「生きることの喜び」が読み取れる。
それは、単なるポジティブ思考ではなく、
人は、時には弱かったり、他人を傷つけたり、残酷だったりするけれど、
それでも、「人生はすばらしい」というような深みがあるように思う。
酸いも甘いもかみ分けた、彼女の年齢がそうさせるのかもしれないが、
とても私のような20代の若造には書けない詞だ。

  • 彼女を想って

リンクで飛んでもらえば分かると思うが、彼女は故人である。
for RITZ」を聴く限り、まだまだ先が楽しみなミュージシャンだった。
私のような人間が長々と生き長らえ、
彼女のようなすばらしい音楽家が夭折するっていうのは、なんとも理不尽であるが、
彼女がメッセージとして残した「生きることの喜び」を噛み締め、
絶望しつつ、恥をさらしながらでも、生にすがりついていようと私は思う。


実際の作品も論じようかと思ったけど、それはまた明日。