「エヴァンゲリオン解読」

エヴァンゲリオン解読―そして夢の続き

エヴァンゲリオン解読―そして夢の続き

最後にオススメの本紹介を。
この本は、エヴァンゲリオンで薀蓄を語るなら、必携の本です。
全ての謎が、この本を読むことで解き明かされるでしょう。


具体例として、「零号機の魂」に関する論考を紹介しましょう。


みなさんは、零号機の魂は誰だとお考えですか?
私はこの本を読むまで、「碇ユイ」だと思っていました。


しかし、そうではありません。
赤木ナオコ」と考えるのが妥当なのです。


まず、暴走した時に見せる動き。
初号機が一貫して碇シンジを守ろうと動くのに対し、
零号機は頭を抱え、苦悩するような動きをとり、
さらに、碇ゲンドウ赤木リツコを攻撃しようとします。


これは、零号機の魂=赤木ナオコと考えるとすごく自然で、
自分の愛人だったはずのゲンドウに殺され、
しかも今は、娘のリツコが愛人となってしまっている、
その現状に怒りや嫉妬を感じての行動だと考えれば、
かなりスムーズに理解が進むのです。


また、エヴァンゲリオンのテーマは、「人類補完計画の否定」であり、
人間は「個」として生きていくしかないんだ、という結論から考えて、
「魂の分割」は絶対にタブーなのです。


だから、初号機の魂である「碇ユイ」のコピーが、
零号機にも宿っていると考えてはいけないのです。


また、零号機の魂=赤木ナオコと考えられる根拠として、
零号機が大破した時、赤木リツコがエントリープラグ内を見て、
「このことは極秘とします」と発言したことが挙げられます。


上記の発言は、エントリープラグ内で綾波レイが無残な姿になっていたとか、
あるいは綾波レイの魂が顕現していた、ということからは導きだされません。
それくらいのことはネルフスタッフの予想の範囲内でしょう。
少し不自然です。


おそらく、L.C.L.を通して、零号機に宿っていた
赤木ナオコが身体を取り戻したのではないか。
そう著者は述べています。
(現に、設定資料集では腕がプラグから出ている図があるそうです。)


ここに挙げたのは、論考のほんの一部です。
その他もろもろの謎が、この本で解き明かされていきます。
エヴァファンの方は、ぜひご一読を。