「エヴァンゲリオン解読」
- 作者: 北村正裕
- 出版社/メーカー: 三一書房
- 発売日: 2001/12
- メディア: 単行本
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この本は、エヴァンゲリオンで薀蓄を語るなら、必携の本です。
全ての謎が、この本を読むことで解き明かされるでしょう。
具体例として、「零号機の魂」に関する論考を紹介しましょう。
みなさんは、零号機の魂は誰だとお考えですか?
私はこの本を読むまで、「碇ユイ」だと思っていました。
しかし、そうではありません。
「赤木ナオコ」と考えるのが妥当なのです。
まず、暴走した時に見せる動き。
初号機が一貫して碇シンジを守ろうと動くのに対し、
零号機は頭を抱え、苦悩するような動きをとり、
さらに、碇ゲンドウと赤木リツコを攻撃しようとします。
これは、零号機の魂=赤木ナオコと考えるとすごく自然で、
自分の愛人だったはずのゲンドウに殺され、
しかも今は、娘のリツコが愛人となってしまっている、
その現状に怒りや嫉妬を感じての行動だと考えれば、
かなりスムーズに理解が進むのです。
また、エヴァンゲリオンのテーマは、「人類補完計画の否定」であり、
人間は「個」として生きていくしかないんだ、という結論から考えて、
「魂の分割」は絶対にタブーなのです。
だから、初号機の魂である「碇ユイ」のコピーが、
零号機にも宿っていると考えてはいけないのです。
また、零号機の魂=赤木ナオコと考えられる根拠として、
零号機が大破した時、赤木リツコがエントリープラグ内を見て、
「このことは極秘とします」と発言したことが挙げられます。
上記の発言は、エントリープラグ内で綾波レイが無残な姿になっていたとか、
あるいは綾波レイの魂が顕現していた、ということからは導きだされません。
それくらいのことはネルフスタッフの予想の範囲内でしょう。
少し不自然です。
おそらく、L.C.L.を通して、零号機に宿っていた
赤木ナオコが身体を取り戻したのではないか。
そう著者は述べています。
(現に、設定資料集では腕がプラグから出ている図があるそうです。)
ここに挙げたのは、論考のほんの一部です。
その他もろもろの謎が、この本で解き明かされていきます。
エヴァファンの方は、ぜひご一読を。