澁澤龍彦「エロティシズム」

エロティシズム (中公文庫)

エロティシズム (中公文庫)

今日の日記は変態特集ということで。


いまこの本の「胎内回帰願望について」という章を読み直しましたが、私の好きな「新世紀エヴァンゲリオン」がこの問題をストレートに扱っています。心理学者のユングは、羊水と「原初の海」の共通点を指摘し、それを「人類があこがれる究極の故郷」としたそうですが、これはL.C.Lと人類補完計画そのものですよね。また、エヴァという機体も、アンビリカル・ケーブルという「へその緒」がついていますし、何より初号機と弐号機に関しては母親の魂が宿っていて、パイロットはその中でL.C.L.という羊水につつまれながら、「胎児」となって戦います。話を本にもどすと、「胎内回帰願望」≒「希死願望(タナトス)」と論旨を進めて行くところも良いです。まさしくエヴァの世界です。


ちなみに「最終兵器彼女」のラストシーンに出てくる「船」も子宮のイメージですよね?無数の「元、命」たちは競争に敗れた精子のイメージかと。シュウジがただ一人生き残り、子宮の中へと進んでいくという。そして、作品内で起こっている戦争自体が、精子の生存競争であった…。という。私はこういう理解をしているんですが、どうなんでしょう?