「半分の月がのぼる空5」

本当にいい話ですね。


ライトノベルにありがちなファンタジックな設定は全く無く、
よくもここまでやってくれましたという感じ。
登場人物みんなが物語の中で生きています。


では、今回も少しだけ引用を…。

あるいは、僕が口にしているのは、どうでもいい言葉なのかもしれなかった。ただの自己満足みたいなものなのかもしれない。けれど僕が手にしている武器はそれだけだった。たとえ刃こぼれしていようが、折れていようが、僕は僕の武器で戦うしかなかった。あるいは夏目なら、もっとちゃんとしたことを言えるのかもしれない。亜希子さんの言葉になら、説得力があるのかもしれない。彼らは大人で、僕よりも長い時間を生き、僕よりもたくさんの経験を積んでいた。嫌な目にだって、いっぱいあってきたはずだ。彼らの言葉にあるような重みなんて、だから僕の言葉にはなかった。けれど僕は僕を頼りにするしかなかった。そうさ、人を頼るわけにはいかないんだ。どんなにダサくても、カッコ悪くても、みっともなくても、自分でやるしかない。