「半分の月がのぼる空5」
半分の月がのぼる空〈5〉 long long walking under the half-moon (電撃文庫)
- 作者: 橋本紡,山本ケイジ
- 出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2005/09/01
- メディア: 文庫
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ライトノベルにありがちなファンタジックな設定は全く無く、
よくもここまでやってくれましたという感じ。
登場人物みんなが物語の中で生きています。
では、今回も少しだけ引用を…。
あるいは、僕が口にしているのは、どうでもいい言葉なのかもしれなかった。ただの自己満足みたいなものなのかもしれない。けれど僕が手にしている武器はそれだけだった。たとえ刃こぼれしていようが、折れていようが、僕は僕の武器で戦うしかなかった。あるいは夏目なら、もっとちゃんとしたことを言えるのかもしれない。亜希子さんの言葉になら、説得力があるのかもしれない。彼らは大人で、僕よりも長い時間を生き、僕よりもたくさんの経験を積んでいた。嫌な目にだって、いっぱいあってきたはずだ。彼らの言葉にあるような重みなんて、だから僕の言葉にはなかった。けれど僕は僕を頼りにするしかなかった。そうさ、人を頼るわけにはいかないんだ。どんなにダサくても、カッコ悪くても、みっともなくても、自分でやるしかない。