ヘタウマを楽しむ感性

ちょっと上の記事書いてて思ったこと。


数年前のバリバリのジャズ好きだった時だったら、
上のCDとか聴いたら耳が腐ると思ってたかなと。


僕は、ジャズやクラシックを楽しむ感性と、歌謡曲を楽しむ感性は別だと思う。


演奏技術的に高度な音楽でジャズとクラシックに勝るものはない。
こういった音楽の世界では、基本的にヘタウマは許容されない。
テクニックよりも歌心が大切なことは言うまでもないのだが、
それでも、演奏は上手ければ上手いほど良いのだと思う。


対して、歌謡曲の世界。こちらは、ヘタウマが許容されるのではないか。
正直、上のCDで歌っている声優はあんまり歌が上手くない。
少なくともエラ・フィッツジェラルドよりは下手くそである。
しかし、不思議なことに下手だからこそ味があるのである。


数十年前の日本人たちは、ジャズを歌謡曲のように聴いていた面があると思う。
私の父親もジャズを聴くが、ミュージカル由来のスタンダード曲などが多い。
ばりばりのバップナンバーや、キース・ジャレットを聴かせると、「難しい」とおっしゃる。


おそらくそれは、ジャズを歌謡曲を聴く感性で聴いているからではないだろうか。
どうなんでしょう。