true tears

アニメ

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  • 巡礼の前に…

なんか急遽感想を書きたくなったからメモ程度に書いておこう。

  • 胃が痛くなる展開

いや、もう中盤までは見ていてツライ展開ばかりで、「巡礼までに間に合うのか？」と思いながら見ていました。何がツライかって、登場人物が「自分の本心とは違う行動」を取り続けるから。目の前の相手を思うがゆえに、みんながみんな、嘘をついたり、やりたくもないことをやっている。バイクに乗る比呂美に「行くな！お前はそんなこと望んでない！」とか叫んでた俺キモスwwwしかし、実際の人間関係って割とそんなもんなんですよね。人は自分のことを完全に理解できるわけではないですから。（だからこそ10話の「全部ちゃんとするから」で感動できるんですが。）

私の好きなエロゲに「天使のいない12月」と「夏めろ」てのがあります。この２つとの共通点について。「高校生の（割とリアルな）恋愛」を描いているところと、「髪の毛の色などがリアル路線（黒・茶などありえる色）」てとこ。じゃあ何が違うのか。

  • マルチヒロイン作品の抱える最大の矛盾

で、その話に入る前に。エロゲ等マルチヒロインの作品の抱える矛盾について。これも言い古されている話なのですが、「『純愛』作品であるにも関わらず、シナリオが複数に分岐する」ことである。ヒロインが３人いたら、それぞれのルートで主人公は『純愛』を楽しむ。だけどその「３つの話」は本来は並立して存在しえない。この矛盾をどう乗り越えるのか…。というところに各ゲームや作品の構造的な面白さがあるわけですよね。たとえば「CLANNAD」「リトルバスターズ！」などの「ループもの」のように、「次元の低い」各ルートを全て通ると「主人公に知覚できる形で」「真ルート」を出現させる形にするとか。（余談だが、だからこそ唯姉の「各ルート」レベルのハッピーエンドが「真ルート」エンドを乗り越える話は感動的です。）あるいは「ef-a fairy tale of the two.」のように、主人公交代制にして「全員が結ばれる」形にするとか。

  • ここで話を戻すと

「天使のいない12月」は「体は繋がってるけど、心は繋がってない」だけど「恋愛ってこんなもんか」というある種の諦めで各ルートエンディングを迎える。「夏めろ」は「まあ、彼女可愛いし、今が楽しいしこれでいいよね」って形で終わったと思う。つまり２作の共通点は「どのルートのEDに進んでも、容易に他のEDが想像できる」というところである。もっと言うと、『純愛』を描くことを諦めたが故に、「各ルートの並存」が可能になっている。まあ一言で言うと「リアルな恋愛」に近いよねと。「妥協して付き合う」という話なんだから。

この作品では、最終的に主人公は「ある一人の女性」と付き合う選択をバシっとするわけですな。散々悩み、紆余曲折を経ながら結局それを選ぶ。某所の感想で「嘘ばっかりついてた奴が幸せになるのはおかしい」という書き込みを見たが、それは違うと思う。この作品の登場人物はどこまでも誠実だ。だからこそ、悩み、苦しむ。

  • 記号的な「萌え」ではない「分かりにくさ」

「萌え」は記号的だとよく言う。しかし、この作品のキャラの魅力はそんな記号では回収しきれない部分が多い。自分もそうだが、オタクが二次元に求めているのは「分かりやすさ」だと思う。現実世界ではモテない。女の子が何を考えているか分からない。だから二次元に萌える。そんなオタクからすれば、「true tears」のキャラの魅力は「分かりにくい」と言える。それは記号的ではないからだ。

  • 二次創作されにくいキャラ

記号的でないキャラは、二次創作では使いにくいだろう。作品を飛び出すほどの「強度」がキャラにないからだ。その代わり、作品としての完成度はすごいと思う。

  • 『純愛』を描くことに徹した作品

さっきの「天いな」と「夏めろ」との比較に戻ると、「true tears」は『純愛』を描くことに徹した作品と言える。代わりに、「各ルートの並存」は難しい。二次創作したくとも、キャラは「弱い」し、作品が「確固としすぎている」のだ。

  • BD化プロジェクト１位

二次創作されない作品というのは、興行的にもあんまりだったりするそうで。しかし、true tearsはBD化プロジェクトで堂々の１位である。id:hamtaroさんが「売れなかった」とおっしゃっていたが、DVDの画質のせいかもしれませんよ？（正直、販売できるレベルではないくらい劣悪だったぜ…）

  • 巡礼に向けて

比呂美を探しに行ってきます。…というのは冗談で、中盤までのドロドロしたお話をなんとか見れたのは、この作品の舞台、富山の美しい風景があったからだと思う。というわけで、明日朝一で行ってきます。飛熊くん、よろしく。


てか、急いで書いたから荒い文章だな…。しかし会社に行く時間なので清書は後日。