LUNA SEA GOD BLESS YOU 〜One Night Dejavu〜 2007.12.24 TOKYO DOME

ずっと前にNHKの特集見たこともあり、買ってしまった。

  • 7年ぶり一夜限りの復活ライブ

…と聴いて、「金稼ぎ」と考えるのはまあ当然。
しかしこのライブ、完成度が高い。
正直2000年までのどのライブよりも良かったような。


NHKの特番で見たが、メンバー5人はこのライブのために合宿まで組み、
LUNA SEAの曲を「思い出す」作業を全員できちんと行っていた。


初期の荒っぽさやとげとげしさは無いが、
高いプロ意識に支えられた演奏が多く、自分はLUNA SEAに対する認識を新たにした。

  • LUNA SEAを演じるメンバーたち

今回印象的だったのが、一度活動休止した後の楽曲について。
自分はコピーバンドを高校生の時にやっていたが、活動休止→再開後の曲は当時嫌いだった。
RYUICHI河村隆一名義でソロ活動した後ということもあり、
曲が柔らかく、優しい曲になってしまった印象があった。
でもこのライブ、自分的には一番好きな「STYLE」時代のテンションで全曲演奏されている。
「STORM」などはこんなにカッコイイ曲だったのかと再発見。
そしてRYUICHIのパフォーマンス。中二病っぷりが最高である(褒めてます。


これはメンバーが「LUNA SEA」ってこうだったよな、と考えながらやってたからだと思う。
ライブ前のメイキング映像も付いていたので見たが、様々な事情で復活ライブが決まり、
それに向けて「LUNA SEA」と向き合うメンバーたちの姿が描かれている。


だからと言って、必死に過去の自分を思い出そうとしていたわけでなく。
「今の自分達で、再現したらこうなるよね」という感じ。非常に前向きさを感じた。

  • 洗練された「やり直し」

自分は見ていてヱヴァ破を思い出した。
放送当時は、ある種「病んだ」作品だったエヴァだが、
新劇場版で健全で完璧なエンターテイメント作品に生まれ変わった。


このLUNA SEA復活ライブも、似ていると思う。
自分は高校生の当時、LUNA SEA中二病な部分が好きだった。
それが、時を経て、いいおっさんになったメンバー5人が、
過去に戻るわけでもなく、今の自分達で「演じる」。そこがすごくいい。

  • 「仲良し5人組」ではいられないけれど

けいおん!!」というアニメがある。
これが元バンドマンにウケているのは、メンバーが「仲良し5人組」だからだと思う。
実際にバンドをやった方はわかるだろうが、人間関係でもめたり、方向性でもめたり。
バンドメンバーが常に仲良しというバンドは、まあ、ほとんどない。


けいおん!!」は元バンドマンにとって「理想郷」なのだ。
自分も見ていて、後悔や、羨望や、嫉妬や…。様々な感情が湧き起こる。
(…と同時に、あずにゃんペロペロとも思っているが。5話はよかったなあ。)


…さて。LUNA SEAのメンバーたちも、きっとロックスターになる道でいろいろなことがあったはず。
仲良しでやってた時代には戻れない。だけど。
今はそれぞれの道を進んでいる。そう、前向きに。


自分も、高校軽音の連中とは数年に1回くらい会っているが。
当時、細かいイザコザがあった連中とも、笑って会話ができる。
もう、過去には戻れないけれど。
バラバラの道を進んだ相手を励ますことくらいはしてやれる。


けいおん!!」のようには行かないが、
年月を経て、己の道を進むメンバーたちと昔を懐かしむ日くらいは仲良くやれるもんである。


このライブも、そんなテンション。メンバー達が、
「おう、久しぶり。最近どうよ?」って言ってくれているような。
「仲良し」とは行かないが、道を違えたからこそ、思いやれることもある。
そんなことを感じた。

  • 長くなりましたが

自分は「エヴァって何から見たらいいの?」と一般人からよく聞かれるのですが、
そのときは「ヱヴァ破が一番いいよ」と答えています。
それと同じく、「LUNA SEAってどれから聴けばいいの?」と言われたら。
「2007.12.24のライブが一番いいよ」と今後は答えるでしょう。