退職1ヶ月前

いよいよカウントダウン。
引き継ぎも始まり、しかし実績は相変わらず過去最高を更新し続けている。
上のやつらは不思議がっているようだ。
「どうして辞めるやつが、続けるやつより仕事ができるのか?」という感じ。


結局、私は人のためにしか働けないのだと思う。
後任の後輩のため、必死でやっていたらすさまじい実績が出た。それだけ。


次の会社は今の会社の100分の1くらいの規模。
厚生年金も保険も無い零細だ。稼がなければ死が待っている。
それでも、今は心穏やかだ。
30年以上生きてきて、精神的には一番安定している。


私は「生きている実感」が欲しいのだ。
意味不明なムダ業務や社内政治に心を砕く暇があるなら、金を稼ぎたい。
お金を稼ぐことは、人のためだから。
保身のために、人に媚びへつらったり、悪口を言ったりすることに疲れた。
「こんな時間があったら、追加で商品売れるやんけ」と思ってしまうのだ。


対価のために命をかける。それがプロではないか。
これは大げさでなく、お金をいただいた分は、死んでも返さなければと思って私は働いている。


次の会社では、私は確実に待遇は下がってしまう。
でも、カネを生み出さない意味不明な業務で給料をもらうより、はるかにマシである。
生きている実感。自分で、自分のお金を稼ぐ喜び。
そこにこだわって生きていきたいと思う。