「日本の思想」(丸山真男)
- 作者: 丸山真男
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1961/11/20
- メディア: 新書
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読みやすい第三章と第四章しか読みませんでした。
少し引用してみたいと思います。
(中略)自分は自由であると信じている人間はかえって、不断に自分の思考や行動を点検したり吟味したりすることを怠りがちになるために、実は自分自身のなかに巣食う偏見からもっとも自由でないことがまれではないのです。逆に、自分が「捉われている」ことを痛切に意識し、自分の「偏向」性をいつも見つめている者は、何とかして、ヨリ自由に物事を認識し判断したいという努力をすることによって、相対的に自由になり得るチャンスに恵まれてることになります。
ここは耳が痛かった。
僕は昔、「自分はわりと物事を客観的に見ることができる方だ」などという勘違いをしていて…、今思えばその頃は大半の人間を見下していた嫌な奴でした。しかし、ここ数年で自分の醜い願望・エゴ・肉欲というものを自覚するにいたり…、いかに自分が偏った人間であるかを知りました。
しかし、その自覚の上で今度は、「ではどうすれば僕は多くの人に迷惑をかけずに生きれるだろうか?」「どうすれば自分の利益を損なわず、より多くの人の助けになることができるだろうか?」ということに考えをめぐらせることができるようになりました。「不自由」を知ることで逆に「自由」を獲得したのです。
余談ですが、「自由という不自由」「不自由という自由」を考える際…、
真っ先に思い浮かぶのがテレビ版エヴァ。
(真っ白な何も無い「自由」空間に放り出されたシンジ君は、逆にそこで「不自由」を感じ、一本線引きをした結果、飛べない「不自由」のかわりに歩く「自由」を獲得するというアレです。)